耳をすますナツメグ

だれもみてない、ほら、いまのうち

ミュージカル「マリー・キュリー」感想

ミュージカル「マリー・キュリー」を観てきた。 ※以下、いつものように詳細な内容に触れる記述になるため未見の方は読むことをおすすめしません mariecurie-musical.jp 全てが最後のクライマックスに向けてのために存在しているような話だったなーと思う。屋…

2023年3月に読んだ本とか

今月読んだ本は5冊…というか、ずっとちびちび並行して読んでいた本の読了がたまたま重なったという月。『ハムネット』が大変な良作だったのですが途中からものすごく苦しくなり(退屈だったという意味では決してなく)、並行していろんな人のエッセイや新書…

2023年1~2月に読んだ本とか

読んだ本 シャーリイ・ジャクスン『くじ』 くじ (ハヤカワ・ミステリ文庫) 作者:シャーリイ・ジャクスン 早川書房 Amazon シャーリイ・ジャクスンは心の奥にひそむ孤独感や邪悪さを淡々と(まるでよろこばしいことでもあるかのように)書く筆致が好きで少し…

ひとりで出かけ、そして何もしないで帰ってきた日記

我が家では夜8時に寝る1歳児が朝もいちばん早くに起きる。だいたい6〜7時の間だ。今日は6時半だった。最近は大体いちばんに「とうちゃん、おきて〜」というのに、なぜか今日はまだねているわたしの上に無言でのしかかってきた。そして乗り越えようとした拍子…

2022年12月に読んだ本とか

最近のようす 年末に〈ルートヴィヒ美術館展〉へ行った。たまに美術館に行くたびに心の中のやわらかい場所の扉が開く。知的好奇心がくすぐられ、帰り道はほわほわ〜と浮かされたような気分で歩きながら、頭はすっきりと冴えているような感覚が好きだ。 その…

こんにちは2023

1月もなかばをすぎてしまいましたが、2022年の振り返りを書くことにします。実はわたしの誕生日が1月にあるので、毎年1月下旬頃まで「年始のつづき」という気分でやってる。はてなブログのお題しめきりも1月末までだし。 特別お題「わたしの2022年・2023年に…

100分deフェミニズム

NHKで1月2日の夜に放送されていた『100分deフェミニズム』を見た。 まずは初めて知ったことがたくさんあった一方で、なんとなくネットを見て取り入れていたフェミニズムの考え方の出典元となる本を知れたことと体系だった解説を聞けたのが収穫だった。 たと…

2022年11月に読んだ本とか

最近のようす 暑さも仕事も落ち着き、自分や家族の体調も悪くなく、わりとゆったり過ごせた11月。家のデスクのまわりを自分なりに整理したことで、ブログや日記を書いたり、テレワークの始業前にちょっと読書したりという時間の使い方ができるようになり、そ…

キンキーブーツ2022

半年ぶりくらいで劇場に訪れて、この作品が大変広く深く愛されているのだという熱気をひしひしと感じた。 あたたかい愛に満ちた素晴らしい感想がすでに世の中にたくさんあるので、それを読むだけでも満足してしまって、改めて何か書こうとしてもうまく書けな…

山内マリコ『あのこは貴族』

流行りものの類の本だとは思うのだけど、ふと読みたくなって図書館で借りてきた。 あのこは貴族 (集英社文庫) 作者:山内マリコ 集英社 Amazon 解説で雨宮まみさんに言い当てられたように、格差や女子同士のマウンティングみたいなものを書いた話なのであれば…

今村夏子『むらさきのスカートの女』と、他人のエッセイばかりを読んでいるわたしの話

むらさきのスカートの女 (朝日文庫) 作者:今村 夏子 朝日新聞出版 Amazon SNSやブログなどを見て、一方的に日常生活を知っている他人のことを思い出していた。わたしはその人のやけに細かいところを知っているが、向こうはわたしの存在すら知らない。むらさ…

お買い物日記2022〜1歳育児生活編〜

今年は既にちょいちょいブログにお買い物日記を書いている気がするが、もっとブログを書きたい!という気持ちが高まっているのではてなブログのお題に乗っかる。 今週のお題「買ってよかった2022」 ちなみに例によって人におすすめするのがへたくそなわたし…

テレワークスペースをもっと快適にしたい、という欲望

5月に育休から復帰し、毎日在宅勤務をしている。 多分コロナ禍などでリモートワークに切り替わったみなさんは、すでにこの2年程の間にデスク周りを整えてきていらっしゃると思うのだが、わたしも最近になってそれらを追いかけ、デスクまわりのものをいろいろ…

ある秋の土曜日の日記

朝、8時半に起きたらベッドには誰もいなかった。 1歳半の子が6時に起きて寝室から出してくれと騒いだので、夫が起きておむつをかえ、パンを分け合って食べ、子が遊ぶのを見守ってくれていたらしい。 ちなみに1歳半時がドアを開けて欲しいときは「でて!でて…

2022年9~10月に読んだ本

最近のようす 今までだいたい月次で読んだ本の報告をまとめて書いていたのだが、以前読んだことのある本を読み返すことが多くて、書きたいことがたくさんあるので一冊一記事に書いてみている。 そうしようと思ってそうしているというよりは、本棚を移動した…

再読 ダフネ・デュ・モーリア『レベッカ』〜レベッカは悪女なのか問題

突然気が向いて『レベッカ』を読み返していた。夜の時間、家にはひとり、窓から入り込むひんやりとした風を感じながらぞくぞくするような世界に没頭する読書。幸せ。そしてこの本やっぱりものすごく面白いです。 レベッカ (上) (新潮文庫) 作者:ダフネ・デ…

バッグの中身〜ひとりでお出かけ編

在宅勤務・休日はほぼ子どもと公園・出不精、と三拍子そろった生活をしているわたしが、まれに一人でお出かけする場合のバッグの中身。 出産したら子どもとお出かけするときのバッグの中身編を書くんだ…!と意気込んでいたことも今や昔、2年前に書いたのと大…

好ましからぬオリーヴに寄り添いたくなる『オリーヴ・キタリッジの生活』

これは再読。同著者エリザベス・ストラウト『私の名前は、ルーシー・バートン』が最近文庫化され、ポチったのが届くまでの間に読み返したのだが、前よんだとき以上にしみじみと沁み入ってしまった。たぶん年を重ねるごとにより沁みる本になると思う。 アメリ…

ひねくれた青年が探す人生の意味とは? - サマセット・モーム『人間の絆』感想

人間の絆(上) (新潮文庫) 作者:サマセット・モーム 新潮社 Amazon 生まれながらに抱えたコンプレックスに加えて幼いころに父母を亡くし、少し…いや、結構かなりひねくれて育ったフィリップという青年の半生記。エピソードがいくつも連なっているタイプの構成…

2022年7~8月に読んだ本と映画

最近のようす なんだか毎月のように風邪をひいている気がする。保育園から貰ってくるのは、子どもたちの様子が載っている楽しいおたよりだけじゃないみたいだ。わたしが家でダラダラ仕事している間に我が家の子どもは活発に過ごしている。その様子が掲載され…

遅めの夏休み、本棚の移動

有給である。朝から大人のこぶしより大きいおにぎりをぺろりと食べた1歳児を保育園に送っていき、エアコンのきいた自宅に戻る。先ほど子どものおにぎりを作るのに使った茶碗に、コープの冷凍からあげと昨日炊いた米の残りをぶちこんで食べながら本を読む。…

【出産前~0歳育児】買ってよかったものいろいろ

お買い物日記ブログ出産・育児編。 1歳になるあたりから明らかに、育児の内容も・子どもに対して抱く感情も変化したな~と感じる。マタニティ期から0歳の時の記憶がどんどん薄れていっているので、お気に入りリストを忘れる前に書きたくて。購入や出産準備に…

2022年5〜6月に読んだ本

最近のようす 育児と労働に時間と体力と精神力を吸い取られがちな今日この頃。20時・1歳寝かしつけ後の図書館本と、23時・32歳就寝前のkindleが最近のおもな読書タイムです。 それ以外の自由時間、「目の保養」と称してInstagramでジュエリー好きの方のアカ…

育児が2年目に突入

去年うまれてきた子どもが1歳になった。 そしてそれから、もうすぐ2ヶ月が経つ。は……………………はや〜。 ミルクはもうほとんど飲まなくなって、おとなと同じかたさのごはんをモリモリ食べている。おいしかったら、自分でパチパチ拍手しておいしさを表現してる。…

2022年3〜4月に読んだ本

最近のようす 1歳を目前にして子どもが保育園に通い始め、お約束どおり貰ってきた風邪をわたしも頂戴した。ありがたくない。わたしは粘膜がよわいくせにカレーやコーヒーが好きで、慣らし保育中に調子に乗ってカレーランチやカフェをめぐっていたせいで風邪…

2022年1〜2月に読んだ本

『ミドルマーチ』の感想がうまくまとまらなくて(ほっとくと永遠にだらだらと書いてしまう…)気づけばもう4月!というわけで忘れないうちにサッと残したいと思います。 ジョージ・エリオット『ミドルマーチ 4』光文社古典新訳文庫 ミドルマーチ4 (光文社古典…

自分のためにジュエリーを買う

妊娠中、家にこもりっぱなしでキラキラに飢えていたため、「人生の節目に一生もののジュエリーが欲しい!」という気分が盛り上がった。 そのたび、SNSや雑誌、オンラインでのリサーチを繰り返した。が、家にいてインターネットばかり見ていると自分の本当に…

2021年10〜12月に読んだ本

なんだかんだ少しずつでも読書時間を取れているつもりだけど、11月は全然本を読んでいなかったので、まとめは3か月分。 読書していなかった理由は、育児がめちゃくちゃ多忙だったから…というわけではない。10年ぶりに発売された「ときめきメモリアル Girl's …

『ディア・エヴァン・ハンセン』

(ネタバレあり) ひとりぼっちで、学校に友だちはいない、憧れの女の子はただ遠くから見ているだけ。そんなさえない男子高校生エヴァン・ハンセンは、メンタルカウンセリングの一環として「自分に手紙を書く」習慣を持っている。ある日、ちょっとした行き違…

ミュージカル「蜘蛛女のキス」@シアタードラマシティ

原作を読んだときには、牢獄につながれているモリーナが映画のストーリーを語る二重構造にが小説を読む喜びを味わわせてくれたという記憶がある『蜘蛛女のキス』。 そのあたりの構成が、舞台は舞台ならではの演出で表現されていて、そのままモリーナという人…