耳をすますナツメグ

だれもみてない、ほら、いまのうち

読書

2024年2月に読んだ本とか

最近のようす 今年は去っていった2月を惜しむ気持ちよりも、冬の終わりが見えてきたことを喜ばしく思う気持ちのほうが強い。生活リズムも、服装も、行く場所も、同じことをローテーションして繰り返しているような冬だった。持っている中でいちばんあたたか…

2024年1月に読んだ本とか

最近のようす お正月休みが終わって仕事が始まったとたん読書がはかどらなくなり、風邪をひいた。身体に悪い労働。でも休み中うじうじ悩んでいたことがスッキリしたので「やることがある」ということそのものは、わたしにとってはいいのかもしれない。 1月中…

2023年11〜12月に読んだ本とか(1)~現代編~

まだ昨年の話をしていきます。 最近のようす 人は何を考えて買い物をしているかという本 文學界 2021年8月号 岸本葉子『「捨てなきゃ」と言いながら買っている』 キーボードなんて何でもいいと思ってた 最高のおうちオフィスではたらく ~快適なリモートワー…

2023年11〜12月に読んだ本とか(2)~ソ連編~

先月までに読んだ本についてダラダラ書く会、長くなったので続きです。 横手慎二『スターリン 「非道の独裁者」の実像』 リュドミラ・ウリツカヤ『緑の天幕』 黒川祐次『物語 ウクライナの歴史 ヨーロッパ最後の大国』 横手慎二『スターリン 「非道の独裁者…

2023年9〜10月に読んだ本とか

この2ヶ月はしょうもない悩み事&検索に時間を溶かしていて(人生に関わったり心が重くなるような種のものでは全然ありません、念のため)、全然本を読んでなかった……。なんかそんなタイミングでした。この隔月の記事もスキップしようかな〜とも思ったけど…

わたしを不安定にしたのは誰? ~ シャーリィ・ジャクスン『鳥の巣』

信じられないくらい面白い。久しぶりに睡眠時間を削りぎみにして夜な夜な読みふけった。 「多重人格もの」の先駆なのだというのは帯文や訳者解説でも分かっていて、その点は承知した状態で読み始めた。ただしここでフォーカスされているのは、主人公の精神的…

2023年7〜8月に読んだ本とか

最近のようす やっと夏が終わりつつありますね。まあまだあと1ヶ月は半袖で過ごしてるんでしょうが… 8月は世間がお盆のなか田舎の親戚家からとんぼ返りしたと思ったら、めずらしくも夜中まで仕事することになり「わたし何やってんだろ…」と思っていたらその…

時代に殺された女の子~マギー・オファーレル『ルクレツィアの肖像』

『ハムネット』を読んで芽生えた著者への信頼(この作者の別の作品も読んでみたい!という)、そしてまたしても好みの題材(わたしは16世紀なかばぐらいの宮廷ものって興味があって好きなんですね~)。絶対読みたいと思って楽しみにしていた本が予想以上に…

2023年5~6月に読んだ本とか

最近のようす 2つ前の記事で本棚を買ったことを堂々と書いていたら、はてなブログのトップページに載せていただいて、たいそうはしゃぎました。その数日前、はてなブログのTwitterスペースでおすすめ記事の選びかたの話を聴いていたので余計にうれしかった…

人生が空間へ変貌する場所~オルハン・パムク『無垢の博物館』

大昔、片思いをしていたときのことを思い出した。それは恋愛というよりは執着で、そしてもしかするとたしかに、収集心でもあったかもしれない。毎日その相手にあうたびにあったどんな小さな出来事さえも大事に胸にしまって家に帰り、日記に書き留めては見返…

2023年4月に読んだ本とか

綿矢 りさ『手のひらの京』 手のひらの京 (新潮文庫) 作者:りさ, 綿矢 新潮社 Amazon 三姉妹の話である。京都に複雑な感情を抱える末っ子凛とは、また別の面から京都で生きる人間のたくましさ、ささやかな幸福がバランスよく語られ、飽きのこない構成。個人…

2023年3月に読んだ本とか

今月読んだ本は5冊…というか、ずっとちびちび並行して読んでいた本の読了がたまたま重なったという月。『ハムネット』が大変な良作だったのですが途中からものすごく苦しくなり(退屈だったという意味では決してなく)、並行していろんな人のエッセイや新書…

2023年1~2月に読んだ本とか

読んだ本 シャーリイ・ジャクスン『くじ』 くじ (ハヤカワ・ミステリ文庫) 作者:シャーリイ・ジャクスン 早川書房 Amazon シャーリイ・ジャクスンは心の奥にひそむ孤独感や邪悪さを淡々と(まるでよろこばしいことでもあるかのように)書く筆致が好きで少し…

2022年12月に読んだ本とか

最近のようす 年末に〈ルートヴィヒ美術館展〉へ行った。たまに美術館に行くたびに心の中のやわらかい場所の扉が開く。知的好奇心がくすぐられ、帰り道はほわほわ〜と浮かされたような気分で歩きながら、頭はすっきりと冴えているような感覚が好きだ。 その…

100分deフェミニズム

NHKで1月2日の夜に放送されていた『100分deフェミニズム』を見た。 まずは初めて知ったことがたくさんあった一方で、なんとなくネットを見て取り入れていたフェミニズムの考え方の出典元となる本を知れたことと体系だった解説を聞けたのが収穫だった。 たと…

2022年11月に読んだ本とか

最近のようす 暑さも仕事も落ち着き、自分や家族の体調も悪くなく、わりとゆったり過ごせた11月。家のデスクのまわりを自分なりに整理したことで、ブログや日記を書いたり、テレワークの始業前にちょっと読書したりという時間の使い方ができるようになり、そ…

山内マリコ『あのこは貴族』

流行りものの類の本だとは思うのだけど、ふと読みたくなって図書館で借りてきた。 あのこは貴族 (集英社文庫) 作者:山内マリコ 集英社 Amazon 解説で雨宮まみさんに言い当てられたように、格差や女子同士のマウンティングみたいなものを書いた話なのであれば…

今村夏子『むらさきのスカートの女』と、他人のエッセイばかりを読んでいるわたしの話

むらさきのスカートの女 (朝日文庫) 作者:今村 夏子 朝日新聞出版 Amazon SNSやブログなどを見て、一方的に日常生活を知っている他人のことを思い出していた。わたしはその人のやけに細かいところを知っているが、向こうはわたしの存在すら知らない。むらさ…

2022年9~10月に読んだ本

最近のようす 今までだいたい月次で読んだ本の報告をまとめて書いていたのだが、以前読んだことのある本を読み返すことが多くて、書きたいことがたくさんあるので一冊一記事に書いてみている。 そうしようと思ってそうしているというよりは、本棚を移動した…

再読 ダフネ・デュ・モーリア『レベッカ』〜レベッカは悪女なのか問題

突然気が向いて『レベッカ』を読み返していた。夜の時間、家にはひとり、窓から入り込むひんやりとした風を感じながらぞくぞくするような世界に没頭する読書。幸せ。そしてこの本やっぱりものすごく面白いです。 レベッカ (上) (新潮文庫) 作者:ダフネ・デ…

好ましからぬオリーヴに寄り添いたくなる『オリーヴ・キタリッジの生活』

これは再読。同著者エリザベス・ストラウト『私の名前は、ルーシー・バートン』が最近文庫化され、ポチったのが届くまでの間に読み返したのだが、前よんだとき以上にしみじみと沁み入ってしまった。たぶん年を重ねるごとにより沁みる本になると思う。 アメリ…

ひねくれた青年が探す人生の意味とは? - サマセット・モーム『人間の絆』感想

人間の絆(上) (新潮文庫) 作者:サマセット・モーム 新潮社 Amazon 生まれながらに抱えたコンプレックスに加えて幼いころに父母を亡くし、少し…いや、結構かなりひねくれて育ったフィリップという青年の半生記。エピソードがいくつも連なっているタイプの構成…

2022年7~8月に読んだ本と映画

最近のようす なんだか毎月のように風邪をひいている気がする。保育園から貰ってくるのは、子どもたちの様子が載っている楽しいおたよりだけじゃないみたいだ。わたしが家でダラダラ仕事している間に我が家の子どもは活発に過ごしている。その様子が掲載され…

遅めの夏休み、本棚の移動

有給である。朝から大人のこぶしより大きいおにぎりをぺろりと食べた1歳児を保育園に送っていき、エアコンのきいた自宅に戻る。先ほど子どものおにぎりを作るのに使った茶碗に、コープの冷凍からあげと昨日炊いた米の残りをぶちこんで食べながら本を読む。…

2022年5〜6月に読んだ本

最近のようす 育児と労働に時間と体力と精神力を吸い取られがちな今日この頃。20時・1歳寝かしつけ後の図書館本と、23時・32歳就寝前のkindleが最近のおもな読書タイムです。 それ以外の自由時間、「目の保養」と称してInstagramでジュエリー好きの方のアカ…

2022年3〜4月に読んだ本

最近のようす 1歳を目前にして子どもが保育園に通い始め、お約束どおり貰ってきた風邪をわたしも頂戴した。ありがたくない。わたしは粘膜がよわいくせにカレーやコーヒーが好きで、慣らし保育中に調子に乗ってカレーランチやカフェをめぐっていたせいで風邪…

2022年1〜2月に読んだ本

『ミドルマーチ』の感想がうまくまとまらなくて(ほっとくと永遠にだらだらと書いてしまう…)気づけばもう4月!というわけで忘れないうちにサッと残したいと思います。 ジョージ・エリオット『ミドルマーチ 4』光文社古典新訳文庫 ミドルマーチ4 (光文社古典…

2021年10〜12月に読んだ本

なんだかんだ少しずつでも読書時間を取れているつもりだけど、11月は全然本を読んでいなかったので、まとめは3か月分。 読書していなかった理由は、育児がめちゃくちゃ多忙だったから…というわけではない。10年ぶりに発売された「ときめきメモリアル Girl's …

最近読んだ漫画など 2021年春夏

急に一気に読んだり全然読まなかったり、感想を書いたり書かなかったりしている読了漫画メモ。今年読んだ漫画について書きたい分だけゆるく書く。いつものようにネタバレは配慮していないので、これから読もうと思ってる作品があれば薄目でスクロールしてく…

2021年8~9月に読んだ本

最近のようす 赤ちゃんのいる生活にも慣れて、我が子かわいさで胸いっぱいの今日このごろ。といっても、いまだに夜中に2回も3回も起こされ、さらには深夜2時に抱っこゆらゆら1時間させられたのに10分でお目覚めとなり、大のおとなが眠すぎて号泣するという日…