2019-01-01から1年間の記事一覧
今年どんなお芝居を見たかな?と振り返っていたら、最後の最後で、いま出会えてよかったと心から言える作品に出会ってしまった。 第一次大戦期のトルコによるアルメニア人迫害という史実を題材に、民族虐殺を生き延びアメリカではじめて対面したあるアルメニ…
この冬はいままでの人生でいちばんたくさんボーナスをもらえた。今年はたまたまいろいろなタイミングが重なって、だれかの頑張りと幸運に乗っかるようなかたちで報酬が増えたというだけのことで、来年ももらえるかは分からないし、わたしの実力も能力も見合…
今年一年、わたしの生活を支えてくれたものたちにありがとうの気持ちをこめて。 1.HP Pavilion 15-cu1000 あたらしくパソコンを買いました。 HP Pavilion 15-cs0000 スタンダードモデル(第8世代 Core i5/8GB/SSD256GB+1TB HDD/15.6インチワイド/Windows 10…
今月のようす 11月は初旬の頃に枚方蔦屋書店で催された海外文学の鼎談イベントに行ってきた。登壇者は書評家の江南亜美子さん、山崎まどかさん、小説家の藤野可織さん。*1 わたしは藤野さんの小説が好きでよく読んでいることもあり、しかも関西で一般向けに…
あこがれの女性たち 本のなかの女性たちは時にわたしが思いもよらぬやり方で、人生を押しつぶされ、それなのに、思いもよらぬやり方で、人生を切り開いていく。そういうふうに人は生きられるのか、という姿をいくつもいくつでも見つけたいがために、わたしは…
年に一度ぐらい海外の街をひとりでうろついているのだが、事前に調べていた行きたい場所にすんなりと着けることはまずない。地図を見て歩いては方向を間違え、他人に尋ねて歩いては曲がり角を間違える。買いものを楽しもうとして行ったはずが、目的はいつの…
人には、自分が所有しているものに価値があると思い込む認知バイアスがあるものらしい。 自分の持ち物について冷静にひとつずついるものといらないものに分けてみると、好みや失敗の癖が見えてくる。 所有している鞄ひとつずつに関して取捨選択を行った結果…
のぞき見趣味 他人の持ち物を見るのが趣味なので、暇さえあれば他人のブログを検索してバッグの中身とか断捨離をしました報告などを見ては目を皿にしている。最近はバラエティ番組を見ていても他人の家を映す番組が増加している気がするので、他人の生活を覗…
これをやろうと思った経緯は かばんの数を減らすこころみ(1)を参照。 sanasanagi.hatenablog.jp かばんのリスト かばんのリスト 第1章 ロンシャン ル・プリアージュ 1.サラ・モリスコラボ グレー A4トートバッグサイズ 2.ル・プリアージュ A4トートバッ…
以下の文章は物語の核心に触れる内容を含みますので、未見の方の閲覧はご注意ください。
鐘が京都劇場に帰ってきてから、いつか行こうと思っていた。わたしはアラン・メンケンの中でも『美女と野獣』と一・二を争う勢いでノートルダムの音楽が好きで、オープニングのクワイヤからぞくぞくするくらい興奮するし、もう各場面の曲だけでも泣いてしま…
今月のようす あっという間に終わった9月。振り返ってみると連休が2回もあり、ちょこちょこと旅行に行ったりお出かけをしたり慌ただしかった。残暑もだらだらいつまでも続くし、なんとなく腰を落ち着けての読書をする気分ではなかった気がする。 ところで…
1961年、それは福島への原子力発電所の誘致が決定された年。福島県双葉町の住民たちが立ちのきを決めるまでの数日間を描き、原発誘致に関わる人びとの葛藤を浮き彫りにする。 戦後まだたったの16年、大戦の記憶も生々しい。立ち退き依頼のため現地の村を訪れ…
高校生のとき初めて買った化粧品はコンシーラーだった。目の下のくまを隠したかったから。顔に色をぬることよりも先に顔の色を隠すことからスタートしたわたしのお化粧人生、教科書通りに手順を踏んで、枠からはみ出すことはない。 いや、ときにははみ出すこ…
須賀 敦子 『ユルスナールの靴』 ユルスナールの靴 (河出文庫) 作者: 須賀敦子 出版社/メーカー: 河出書房新社 発売日: 1998/10/01 メディア: 文庫 購入: 3人 クリック: 29回 この商品を含むブログ (38件) を見る 旅行中の機内で読んでいて、まるで私自身も…
この物語において幾度も語られる「自由」ということば、その対極にあるのが「生」なら自由は死と読み替えることができるのかもしれない。とするなら、自由を求めたとされるエリザベートをつなぎとめているのは、自由の対局にある地上の愛だと仮定する。 地上…
コラボキャンペーンとは 帝劇近くのショッピングビル「日比谷シャンテ」ではミュージカル 「エリザベート」のキャンペーンが催されている。 今までこうした販促イベントには関心を持ってこなかったけど、今回はちがう。参加している飲食店でキャンペーンメニ…
岡崎 武志『女子の古本屋』 (ちくま文庫) 女子の古本屋 (ちくま文庫) 作者: 岡崎武志 出版社/メーカー: 筑摩書房 発売日: 2011/06/10 メディア: 文庫 購入: 3人 クリック: 29回 この商品を含むブログ (27件) を見る 以前には近寄りがたかった古本屋という存…
マーガレット・アトウッド『またの名をグレイス(上)・(下)』 またの名をグレイス(上) (岩波現代文庫) 作者: マーガレット・アトウッド,佐藤アヤ子 出版社/メーカー: 岩波書店 発売日: 2018/09/15 メディア: 文庫 この商品を含むブログを見る 読了日:05…
キム・ヘジン『娘について』 娘について (となりの国のものがたり) 作者: キム・ヘジン,古川綾子 出版社/メーカー: 亜紀書房 発売日: 2018/12/20 メディア: 単行本(ソフトカバー) この商品を含むブログを見る この小説の語り手である母親の思考が必ずしも…
今年のエリザベートの1回目はWEBサービス「おけぴ」会員限定の観劇会で拝見。この観劇会に参加すると細かいトリビアや人物相関図が書かれた観劇まっぷがもらえる。これに登場しているのが今回は成河さんで、ディズニー映画「アラジン」におけるジーニーのよ…
舞台はロンドン、精神病院の一室でたった1日の間に繰り広げられる三人劇。登場人物は病院患者のクリス、若く理想に燃える担当医師のブルース、そしてその上司であるロバート。 演劇情報には相変わらず詳しくなっていかないわたしだが、成河さんが出ている作…
美容院で読む雑誌というのはどうしてあんなに面白いのだろうか。わたしも月額390円で電子雑誌読み放題のサービスには加入しているが、美容院で渡される雑誌は格別の味わいがある。自宅で見るiPadの画面ではつい読み流してしまうような、普段その存在を気に留…
今村 夏子『あひる』 あひる (角川文庫) 作者: 今村夏子 出版社/メーカー: KADOKAWA 発売日: 2019/01/24 メディア: 文庫 この商品を含むブログを見る 牧歌的で親しみやすい雰囲気につられてするすると読み進んでいくと、日常の風景のなかに次第に不穏さとそ…
わたしのように周りに流されやすい買い物のしかたをしていると、いつのまにか増えているのが靴だ。めちゃくちゃ靴好きというわけでもなければ、見た目よりも楽さを重視する程度にはファッショナブルでない。毎日漫然と履く靴の数は限られている一方、靴箱の…
一幕のとちゅうから、石丸さんのちょっとした表情や、たたずまいを見るだけで涙があふれてどうしようもなかった。視線の落とし方、背中の曲げ方、歩き方、おどけた姿なのに物悲しいところ……。どうしてこんなにも、わたしたちがあらがえないなにか大きなもの…
「ロミオ&ジュリエット」の思い出 数年おきに同じ演出家の手によりキャストやスタッフを変えて何度も再演されているミュージカル版。 わたしは2013年、初めて自分のお金でミュージカルのチケットを買ってロミオとジュリエットを観に行き、そこで王子様を見…
川上弘美『猫を拾いに』 猫を拾いに (新潮文庫) 作者: 川上弘美 出版社/メーカー: 新潮社 発売日: 2018/05/27 メディア: 文庫 この商品を含むブログを見る 電車やレストランで不意に飛び込んできた他人の話に思いのほかしんみりしてしまうみたいに、他人事な…
結婚に伴ってわたしが催さなくてはならない諸々のイベントを考えたとき、結婚披露宴は憂鬱の最たるものだった。だが一方、ドレスだけはなにがなんでも着てみたいという気概だけはあった。 ドレスはわたしの憧れだ。いつからこんなことになったのか。間違いな…
エチュード春一番 第二曲 三日月のボレロ エチュード春一番 第二曲 三日月のボレロ (講談社タイガ) 作者: 荻原規子 出版社/メーカー: 講談社 発売日: 2016/07/20 メディア: 文庫 この商品を含むブログ (3件) を見る 荻原規子さんの小説とは小学生の頃からの…