舞台好きの方々の好評を薄目で見ながら取ったチケットでお正月に観劇。ナイチンゲール女史が主人公ということも、あらすじも何も知らずにみにいったのですが、これ我々の大好きな紫の薔薇のひと構図やん!と思って「なぜ少女はひとりで信念を貫き頑張るとき、なんかカッコいい謎めいた年上男性を胸に抱くことで心の支えにするのか…」と考えていたところ、突然芝清道氏と岡村美南さんという劇団四季ミリしらのわたしでも知ってる豪華キャストが登場、岡村美南さんが芝清道氏の胸元にそっと片手を添えて誘惑するささやかなワンシーンはほんの一瞬なのに、かの月影先生*1が「手」だけの出演で舞台上の存在感を一気にさらったあの場面を彷彿とさせる濃厚さで目をうばわれる。さらにはなんと男装の岡村美南や歌い踊る岡村美南、剣の殺陣までやるという、主役じゃないのにめちゃくちゃ見どころ満載……というか最後の4人のシーンはガンガンに歌を聴かせながら宙乗り×2で美しい殺陣までやるという劇団四季の見せ場全部つめこみました!!!どや!!の大サービスおせち料理状態、目が迷子なのでむしろ見どころを絞ってほしいとすら思ってしまい笑いそうになった。主演のフローレンスも可憐な見た目と裏腹に意志の強さを感じる歌声でとっても素敵だったしグレイ役の人も剽軽さと二枚目演技のいずれもバランスよくこなされていて大満足な舞台だった(のですがわたしがいかんせん岡村美南さん演じるボーモンが好きになりすぎた感がある)。いろんな岡村美南さんがみれてお得だったな〜。
ナイチンゲールって確かに凡人には共感し難い自己犠牲の化身だし、ミュージカルのヒロインとして感情移入できるのかなあと思いそうなところ、ゴーストの導入とラブコメちっくなテイストで見やすくなっていた。やっていることが偉大すぎるため変に葛藤とかみせても観客がなかなか追いつくのが大変ですものね…。終盤には悪役のジョン・ホール軍医長官が「周囲に感謝の言葉をかけられ、さぞ気持ちがよかったことだろう!」とか言いはなつ台詞があり、まさに凡人の邪悪な心からすれば彼女の崇高な行為をそうとしか理解しようがないよな、理解の限界を超えてるんだよな、わかるよ…という感じで良かった。
*1:『ガラスの仮面』より
