アンジェラ・アキのファンなのと昆夏美さんが出てるというので観に行きました。しかし実はあんなに有名な映画も漫画原作も未見だったので1幕は若干話についていけず…。予習が必要な作品だったのか……
基本的にずっと音楽が鳴ってるのと、回想から始まる構成で時系列がいったりきたりするのでメリハリを感じにくかったのもあるかも。ただ1幕途中から大体人間関係が掴めるようになってからはどんどんのめり込んでいった感じだった。水原さんと別れるところも、リンさんがいなくなるところもめちゃくちゃ泣いてしまった……
ミュージカルとしては、アンジェラ・アキの美しくもせつない旋律で気持ちよく歌い上げてしまいそうなところ、昆夏美さんを筆頭に感情がしっかりと乗って届いてくる技術が流石だな~と思ったな。繊細な演技を積み重ねた上で終盤に盛り上げて畳み掛けてくるのも。はるみさんがおねえさん(音月桂)の手をすり抜けていってしまうところが不意を打って胸に突き刺さって涙が止まらなくなってしまった
桜井玲香さんは乃木坂の子だよね〜くらいで演技してるところは初見だったのだけど、リンさんの影や諦念を感じさせつつも凛と前を向いて生きている人柄がハマっていてよかったな……自分とともに記憶が消えてしまうことも、自分しか知らない記憶を抱えて生きることも、どちらも贅沢な事だ、とすずさんに前を向かせてあげられたのはやはりリンさんだからだものな。
あと水原さんの人がめっちゃ良かった!役者の小林唯さん初見だな〜と思ったら元四季の今度アンジョやる方なのか、気になる。
個人的には周作さんより水原さんが好き、と思ったけどそれは彼が兵士として我々の未来を背負って亡くなっていったから自分の中で美化されているのかもしれず。というか、それで思い出したけどこのお話そのもの全体を流れる通奏低音として、戦争という状況にたいして「受け入れる」ということがとことん美徳とされているのは少し気になった、ミュージカル用に抜き出しているからそう見えてしまっているのか、原作がそもそもそういう話なのか分からないけど。