耳をすますナツメグ

だれもみてない、ほら、いまのうち

最近のようす

このブログはわたしにとっては、体調が悪いときに正直に書ける場所みたいな感覚がなんとなくあって、だからもう少し早く書こうと思ったのだけど、やっぱり初めてのことで何があるか分からないからということも思い、今月まで待ってから書くことにした。実はいま妊娠5ヶ月です。

 

もともとこどもがさほど好きとか欲しいとか思っていたわけではなく、ただ「いつかは」と漠然と思っていたけど、夫もわたしも「望んだからといって必ずできるわけではない、できなかったとしても二人の生活を楽しもう」という姿勢ではあった。でも、今年に入ってからいろいろな気持ちや環境の変化があってなんとなく踏ん切りがついたようなところがあったのだった。

 

この2020年という年は誰にとっても後で思い返したときに新型コロナウイルスの流行と結びついた出来事が頭に浮かんでしまうような一年だったと思うし、じっさいその不安がまったく消え去ってはいないうちに妊娠するということに迷いは確かにあった。し、時が過ぎても不安は減少するどころか社会全体を巻き込んでますます増えてはいる。

でも、病が蔓延しているということとは別で、わたしとわたしの夫の人生の時間は流れており、その人生のなかで「いまこそあなたに会いたい」と思ったタイミングがそのときだったのだ。なんだかこのことについてはうまく言えないのだけど、後のことがどうなるのかは(妊娠するかどうか、というだけでなく、生まれてくる子の人生がどんなものになるのか、というところまで含めて)自分だけの意思ではどうにもできない部分で、自分の人生のなかの動かせる部分、「いまだ」と思ったときに始めるのがいいんじゃないかなあ、と思った。楽観的すぎるのかもしれないけど、これまでもわたしはそんなかんじで人生をやってきたし、これからもそうなんだと思う。

 

たぶん一番不安だったのは、妊娠しているかも?と気づいてから初めての検診に行くまでの間。社会不安の他に、自分の今までの人生が180度変わってしまうことの不安もあったし、しかもちょうど仕事がうまくいっていなくて毎日バタバタしながら終電やタクシーで帰宅していたタイミングだったので、「こんな自分なのにもう一人の面倒を見るなんて絶対ムリだ…」と思って帰りの電車の中で涙が止まらなくなったりした。

でも、検診で初めておなかの中のようすを見て、心臓が動いている音を聞いた瞬間、とにかくすげーーーーという気持ちで全てが吹き飛んでしまった。本当にこんな小さいところから人間がひとりできてくるんだ!これは本当のことなんだ!という感動と驚きが、気づけば不安よりもずっとずっと上回っていた。

 

後のことはわたしだけの意思ではどうにもできない、とはいえ、始めた以上は自分たちのキャパシティの中でできる限りのことはしなければいけないのだと思う。この「自分たちのキャパシティの中で」というところを、妊娠前はけっこう悩んでいて、わたしは、わたしが与えられる限りのものしか与えることができない、というようなことをずっとぐるぐる思い悩んだりしてはいたのだけど、でも生きるってそもそもそうだよなあ。わたしはわたしのできることしかできない。わたしは今のところ、「人生はあったほうがいいものだ」と思っているから、あなたの人生の一番大事なこと、はじめるかはじめないか、というところに対して我々の考えを押し付けることになってしまうのは、そこは申し訳ないけれど、その代わりに返せるものは返していくから、しばらくは付き合ってほしいなという気持ちでいる。

 

つわりのようす

冒頭に体調がなんちゃらと書いているけど、10〜11月はいわゆるつわりで常に調子が悪かった。別に変なものを食べたわけでもないのに毎日きもちわるくて嘔吐して、それが健康ですねーみたいな感じなのがとにかく理不尽で不可解な毎日だった。

自分の場合は在宅勤務ができていたことにより、つらいときには勝手に仕事量を調整して家のソファで横になって休んだりでき、会社で苦しんでいた諸先輩たちや立ち仕事をしている世の妊婦さんたちよりはずっと楽だったと思う。家のトイレならやたらえづいても他人に気を遣わせなくて済む、みたいな気楽さも大きい。トイレで吐きながら声に出して泣くだけでもちょっと楽になったりするのでね…。会社のトイレだとさすがに周りに心配をされそうで、そこまではできない。ほんとに体調に応じて勤務形態は自由に選べるのが当たり前の世の中になってほしい。

 

妊娠する前は、つわり=吐く、というイメージだったけど、人によっていろんな症状が現れることも初めて知った。

わたしの場合は、「吐きつわり」の他に「食べつわり」つまり空腹が気持ち悪い、という状態もあり、満腹になりすぎても気持ち悪いし、お腹が空いても気持ち悪い。ということは平穏な体調を保つために常に胃の中身が5分目くらいの状態を保たなければならず、常に食べることについて悩んでいた。

といっても食べることそのものが楽しめたわけではなく、「においつわり」もあったので、うっかりにおいがダメな食べ物を食べようとすると吐く。不可解なのが、妊娠前に好きだったものとか一般的に美味しいとされているもの、健康に良いとされているものとかはあまり関係なくランダムに「ドボン」が用意されていること。餃子のニンニクのにおいがダメだったのはなんだかわかるが、同じくらいにおいがきつくてもマクドナルドは大好きで、ある週は毎日食べていた。いつもなら一年に一回食べるかどうかというくらいなのに…(ちなみにつわりが終わったらあっさりとマクドナルドへの関心を失ってしまった)。あとは大好きなあたたかい白ごはんや、醤油やお出汁のにおいがダメになってしまったのも悲しかった。一方、一般的には臭いのでダメそうに思える納豆のにおいは大丈夫で、夫があたたかい大根の煮物を食べている横で納豆のパックをかぎながら冷や飯を食べていたこともある。

大丈夫だったのは梅干し、冷たいごはん、納豆、ドリア、クリームパスタ、ロールパン、トマト、マクドナルドのチキンバーガーとポテトとナゲット。葉酸が多くて妊婦に良さそうなアボカドは、日によって食べられたり食べられなかったり。モスバーガーも食べられたけど、満腹感があるのでポテトのセットを全部食べるとダメ。ピュレグミとか苺チョコみたいな甘酸っぱいお菓子、小さめのミカンなどは空腹感を調整するための間食としてちょうどよかった。

 

f:id:sanasanagi:20201223010241j:image

  

その他のようす

なんだか吐いた話ばっかりしているが、今月に入ったあたりから徐々に気分も良くなり、ご飯も食べられるようになってきた。体調が良いなら良いで、こちらは実感がないので「おーい、元気にやってるかー?」と思ってついつい自分の腹に向かって話しかけたくなってしまう。とはいえ毎日お風呂に入るたびに胴体が丸くなり、まるでくまのプーさんの腹のように膨らんでいっているのはびっくりするほどだ。

最低限の外出以外は毎日ずっと家にいるから風邪もひかない。毎日8時間くらい寝て鉄分入りドリンクをがぶがぶ飲んでいる。運動不足であること以外は健康だと思う。

何もかもが初めてなので分からないことも知らないことも多い。そのわりには、なんか呑気に構えてしまっている気もするけど、とにかくこのまま順調に産まれてきてくれたらいいなあ。とりあえずそう祈るのみです。