耳をすますナツメグ

だれもみてない、ほら、いまのうち

クローゼット整理とアナトリエへの思い入れ

引越しをすることになり、クローゼットの整理をした。

わたしは30歳になったし、世間は2020年で、世間のトレンドでもスカート丈は長め、シンプルでリラックスした雰囲気のファッションがもてはやされている。勤め先では在宅勤務が急速に推し進められ、部屋着で過ごす日の方が多くなった。さほど気に入ってないけど仕事着としてなんとなく持っていた服、20代前半のころに愛用したけれど今では似合わなくなってしまった服をまとめて宅配買取に出す。

もう膝が出る丈のスカートを履くことはないだろうし、襟ぐりに飾りがついてるニットも似合わない気がする。(といいつつ、この手の服をたくさん持っていたので全部は捨てきれず、ベーシックなアイボリーやグレーのものは残しているのだけど…)

もう似合わないよなあ、と思って、年齢のためにまだ着られるお気に入りの服を処分するのは悲しい。でも、実際に着てみてしっくりこない状態で出かけるのはもっと楽しくない。服だってそんなことは望んでないはずだ。思い出の中でずっとキラキラ輝いたままでいたいはずだ。

 

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お気に入りだったけど処分する服。3点とも何年か前に買ったアナトリエのもの。こういう襟ぐりにキラキラした飾りがついた服に、なんだか違和感が出てきてしまったんですよね…。一番右のレースなんてまだ綺麗だけど、着すぎたためか擦れる部分が毛玉になってしまったので思い切ってお別れ。

 

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この一番上の襟がついてるトップスもアナトリエ。カットソー素材で着やすくて、白襟のおかげで顔が明るく見えるのでヘビーローテーションしていた。下に重なっている服たちはテチチ、ペルルペッシュ、ソアリークなど。フリルがやたらとついていて似合わなくなってきたものと、丈が短く感じるようになってしまったワンピースとお別れ。

 

クローゼットを整理していると、やっぱりわたしが持っている服は圧倒的にアナトリエで買ったものが多い。大好きだったブランドだけど、今年の秋冬を最後に終了するというニュースを見た。ガーリーで可愛らしいモチーフが多いけれど、程よく落ち着いた雰囲気を纏えて愛用していたのにな…。社会人になってからの数年で買った服は8割アナトリエだと思う。観劇やお出かけのための気分が上がる服、義両親へ結婚の挨拶や、結婚式のときに着たワンピースもアナトリエだった。

 

このときツイートしているのは比較的華やかなものが多いけど、シンプルな服でもパールの飾りボタンやくるみボタン、ギャザーのデザインがさりげなく入っていて、でも基本の形はベーシックで、やりすぎないデザインが好きだった。アナトリエのスカートを履いている日は、歩いている姿を見て褒められるというくらい、着ているときの形を計算された美しいシルエット。無地のものを選べばオフィシャルな場にも馴染めるので頼りにしていたし、チェックやドット、リバティプリントなど柄物もどれもわたしの好みをめちゃくちゃ押さえていた。

20代のわたしにとっては気軽にぽんぽん買える値段ではなかったけど、お店に行けばいつも売り場ごと買いたくなるくらい可愛くて。少しだけ頑張れば手の届く価格設定だったし、洗濯して何度も着てもなかなかへこたれない。大切に長く着られる服だった。運営会社のワールド自体の経営もずっと危ぶまれていたけど、それでもお店にいる店員さんはいつもキラキラした笑顔で丁寧な接客をしてくれて、気持ちよく買い物ができた。

 

わたしはやっぱりアナトリエみたいに程よく大人しくて可愛いかんじの服が好きだ。でも、あと数年もしたら流行は変わり、好みも変わってしまうのかなあ。感染症騒ぎが落ち着いても、なくなってしまったものは戻って来ない。ワクワクしながら行けるお店がなくなってしまうのは悲しすぎる。