耳をすますナツメグ

だれもみてない、ほら、いまのうち

2018年上半期 観劇の思い出

今週のお題「2018年上半期」

 
 
読書メーターでやっている定期的なまとめ記事を観劇でもやってみたら、思い出の整理に良いのではないかと急に思いついたのでブログに書いてみる。
 
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1月8日 昼「オペラ座の怪人」@京都劇場
新年一発目はオペラ座。佐野さんのファントムにまた泣く。上品さと変態性、愛とエゴの同居。そして、前観たときよりも苫田さんのクリスティーヌの色気がすごかった。ラウルの人が若そうだったのでそう感じたのかもしれない。
 
実はこれが恋人と初めてミュージカルを観に行った作品なのだが、もっとハッピーなのにすればよかった気もする。あと、初めて「オペラ座の怪人」を観た彼は後半の展開についていけなかったそうだ。そういえば、わたしも初めて観たとき「ドン・ファン」のあたりから誰が死んでどうなっているのか訳が分からなくなったことを思い出した。そもそも劇中劇において、クライマックスに達したファントムとクリスティーヌの対決が重ね合わされている、という構成が初見では分かりにくいのだろう。今になってはオペラ座の怪人の中で一番好きなシーンなのだが…。
 
 
2月3日 夜「黒蜥蜴」@梅田芸術劇場メインホール
2月4日 昼「黒蜥蜴」@梅田芸術劇場メインホール

感想

 

 
3月4日 夜「ジキル&ハイド」@東京国際フォーラムホールC

石丸幹二さんの新たな魅力に気づいた作品。ミュージカルファンの方はもうずっと前からお気づきだったのだろうに、わたしのバカバカ。彼のトートを観れなかったのが人生の大きな悔いになってしまっている。
 
 
 
3月17日 昼「ブロードウェイと銃弾」@梅田芸術劇場メインホール

城田さん目当てで観に行ったもの。ミュージカルでコメディというのを個人的にあまり観たことがなかったのだが、「こういう笑わせ方もあるのか」という新しさがあった。観客と舞台との断絶を拾い上げ、笑いを使って共犯者にする。そもそもブロードウェイの舞台裏を風刺するような内容の演目だし、そこがハマっていた気がする。

 
 
3月25日 昼「ポーの一族」@ライブビューイング

感想

 

 
4月4日 夜「5DAYS 辺境のロミオとジュリエット」@KAAT神奈川芸術劇場中スタジオ
感想

 

4月7日 夜「Romale」@東京芸術劇場プレイハウス
花總まりさん目当てで観劇。花總さんは蓮っ葉キャラでも品があって素敵だな。しかし脚本が合わず、ラストあたりでロマーレの感情をミステリの種明かしばりに全部説明してしまうのでガッカリしてしまった。カルメンがホセと初めて結ばれるシーン、薄布を使った演出は印象深かった。
直接話には絡まないのだが、福井晶一さんの衣装も歌声もマドレーヌ市長を想起させるもので、レミゼが観たくなる。
 
 
4月21日 昼「1789 バスティーユの恋人たち」@帝国劇場
5月6日 昼「1789 バスティーユの恋人たち」@帝国劇場
5月6日 夜「1789 バスティーユの恋人たち」@帝国劇場
1789、たいへん好きな演目なのだが感想を書くと散漫になってしまってブログにするのが難しい。ストーリーというよりも好きなシーンの断片の集積が、わたしの好きという感情を醸成しているからかもしれない。パレ・ロワイヤルではしゃぐダントン、かつがれながら歌うシャルロット、パンをこねるめん棒を持って怒り狂うソレーヌと、それをなだめるダントン、『夜のプリンセス』の椅子を使った女たちの振付、「Fixe」を歌うソニンソレーヌの悲しみに満ちた歌声、印刷工場で肩を組むロナンと革命家の男たち、現人神を自称するアルトワ伯の官能手品、人間人形劇で説明される三部会、ネッケルが辞任を告げるときの無念な口調、不本意ながらも決断を下さねばならぬ立場でいなければならないルイ王の悲劇、恋人に銃の使い方を教えるときのロベスピエールの近さ、ロベスピエールという人に恋してしまったばかりに心配や切なさを抱えることになった彼の恋人の心情、など、思い出せば取り留めもない。
 
 
昼夜で劇場をはしごした日。この公演、なぜか私の右の席の女性と左の席の男性が同行者だった様子で(カップルなのかは謎)、気づいてからなんだか申し訳ない気持ちに。先行抽選で取ったチケットなので、座席は選べなかったのだが、こんなこともあるのだろうか。隣どうしの方がいいだろうと気を遣って席がえを申し出たのだが、断られてしまった。でも右の女性とわたしはなんとなくツボが合うらしく、こちらがぐっときているときに隣で目を押さえているのが分かると、なんとなく感動も増すというものである。そんなこともあって、この演目はいつかまた家族や大事な人と一緒に観たいなあと思った。余談だけどこれを観てから、重い腰を上げてなにか面倒なことを始めるときには、頭の中で濱田めぐみさんが「サッサッサッ」と言っている姿が再生される。
 
 
5月3日 昼「1984」@新国立劇場小劇場
 
  
5月5日 「プリンスアイスワールド」@新横浜スケートセンター
去年行けなかったので2年ぶりのPIW。今回の演出は映画『THE GREATEST SHOWMAN』をテーマにしていてめちゃくちゃテンションが上がった(わたしは映画は未見なのだが)。プリンスアイスワールドチームは、アイスショーでも試合でもなかなか見られないシンクロナイズドスケートのチームを持っており、個人競技ともカップル競技とも違う大人数のシンクロならではの演技を楽しめたので、つい7月の東京公演のチケットも買ってしまった。もちろん、町田樹さんの演技を観れる残り少ないチャンスだからというのもあります。
 
 
 
6月24日 昼「ザ・空気 Ver2」@東京芸術劇場小ホール
永田町をすぐそばに臨む記者会館の屋上を舞台に繰り広げられる政治風刺コメディ。安倍総理のモノマネ、政権を皮肉ったジョークで湧きに湧く会場。なのだが、見ているうちに、結局は組織や権力に巻かれてしまう「一個人」でもある記者たちのことを笑ってばかりもいられないと思えてくる。「総理は私たちが育てた」と言ってむせび泣くキャスターの姿は、赤の他人だったらどうしようもなくバカバカしくて、怒りと呆れの的なのだろうけど、その人の人生に思いを馳せてしまうばかりに切なくなる。だってその連帯感がすごく気持ちいいのは、わかるから。一度どん底を見て、そこから皆で支えて這い上がって、みんなで頑張ってきたんだよなって、思うことそのものは尊いのだ。それは我々の紛れもない美徳のひとつで、だからこそ拭い去れない大きな欠点でもある……連帯してしまうと、批判すらできなくなる、ということが。
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振り返ると、大体一か月に一回以上は劇場へ行くペースだったようである。道理でGW終了後から6月下旬までの期間がつらかったわけだ。放っておくとずっと家にいたがるたちなので、観劇という趣味がなかったときにはどんなモチベーションで休日の外出に臨んでいたのかもはや思い出せない。金はかかるが楽しい趣味だ。下半期も元気に観劇しようと思う。